川崎市岡本太郎美術館「街の中の岡本太郎」展 関連イベント バシェ音響彫刻コンサート&レクチャー

昨年、東京藝術大学バシェ修復プロジェクトで修復された「勝原フォーン」が川崎市岡本太郎美術館「街の中の岡本太郎」展、開催中に期間限定で展示されることになりました。普段藝大取手のなかに収蔵されていてめったに表に出る機会のない「勝原フォーン」を見ることができる貴重な機会です。7/14~7/29まで2週間展示され、コンサートとレクチャー、音響体験が行われます。ぜひこの機会に「勝原フォーン」の彫刻としての美しい姿を、弦楽器としての音響を体感いただきたいと思います。

バシェは兄弟で音響彫刻を創作していましたが、弟のフランソワ・バシェが武満徹の招聘により来日、70年日本万国博・鉄鋼館で音響彫刻が展示されました。万博終了後作品は解体され、倉庫に眠っていましたが、2013年以降、作品の修復プロジェクトが開始され、いままで5基(注)の音響彫刻がプロジェクトにより修復されています。展示される「勝原フォーン」は、昨年2017年に東京藝術大学バシェ音響彫刻修復プロジェクトにより修復されたものです。今回のイベントは修復されたバシェの音響彫刻を使い打楽器奏者の高田みどり、永田砂知子が演奏します。また会期中バシェにまつわるレクチャー、音響体験を開催します。

注・5基とは、「川上フォーン」「高木フォーン」(EXPO’70パビリオンに展示)「渡辺フォーン」「桂フォーン」(京都市立芸大に設置)「勝原フォーン」(東京藝大取手に収蔵)以上の5基のことである。EXPO’70パビリオンに展示されている「池田フォーン」は2010年日本万国博覧会記念機構により修復された。

バシェ音響彫刻「勝原フォーン」展示期間

2018年7月14日(土)~7月29日(日) 9:30~17:00(入館は16:30まで)

高田みどり バシェ音響彫刻コンサート

2018年7月22日(日)15:00~16:00 展示室
展覧会観覧料(一般¥900)のみ必要。予約の必要はありません。なお、演奏時間は15:00~16:00の範囲内で行われるということでご理解いただけますと有難いです。

高田みどり(たかだ みどり) 打楽器奏者/作曲・舞台芸術家
1978年ベルリン放送交響楽団と共演しデビュー。バイエルン放送交響楽団と共演などクラシックの演奏家として活動。更にアジア・アフリカの多くの伝統音楽家と恊働をする。伝統音楽の構造を生かした作曲を通して、ジャンルを超えた演奏を展開。1990年代より即興トリオ「Ton-Klami」として佐藤允彦(pf)、カン・手ファン(sax)と世界各地で演奏。また、世界的な演出家、鈴木忠志氏による舞台に多く出演。1995年より現在まで、シアター・オリンピックス始め、モスクワ・タガンカ劇場、エジンバラ演劇祭、英国バービカン劇場でのソロ公演など活動を続ける。

永田砂知子 バシェ音響彫刻コンサート

2018年7月29日(日)15:00~16:00 展示室
展覧会観覧料(一般¥900)のみ必要。予約の必要はありません。なお、演奏時間は15:00~16:00の範囲内で行われるということでご理解いただけますと有難いです。

永田砂知子(ながた さちこ) 打楽器奏者・即興演奏家
東京藝術大学卒業。クラシックの打楽器奏者としてスタートするが1990年代から、即興演奏によりボーダレスな世界で活動を始める。Derek BAILEY「COMPAGNY」、John Zorn「COBRA」、Butch MORRIS「CONDUCTION」など、様々なセッションに参加。現在は鉄のスリットドラム・波紋音(はもん)を表現の中心に国内外で演奏活動している。2009年波紋音パリ公演の際、在仏の姉・宮崎千恵子と共にベルナール・バシェに出会い、以後、宮崎千恵子と日本におけるバシェ兄弟の紹介に従事。2015年バシェ協会設立。会長を務める。http://www.nagatasachiko.com/

川崎義博・レクチャーと音響体験

2018年7月21日(土) レクチャー:13:00~14:00 / 音響体験:14:15~15:00
2018年7月28日(土) レクチャー:13:00~14:00 / 音響体験:14:15~15:00
東京藝大でバシェ音響彫刻修復の責任者を務める川崎義博がバシェ音響彫刻の仕組みとこれまでの取組みをレクチャーし、希望者対象に勝原フォーンを実際に体験します。
■レクチャー:入場無料/定員80名/会場:ガイダンスホール
■音響体験:要観覧料(一般¥900)/定員25名/会場:展示室
(音響体験を希望される方は、当日受付で整理券配布)

川崎義博(かわさき よしひろ) サウンドアーティスト・サウンドデザイナー
1990年衛星放送ST.GIGAの立ち上げとともに、世界中をロケし、番組やCDを制作。世界の音のインスタレーションは日本科学未来館、21世紀美術館などで制作展示。プラネタリュウム作品「夜はやさしい」などもある。東京藝大先端芸術表現科で音の表現を教えている。バシェ音響彫刻修復プロジェクト責任者。


川崎市岡本太郎美術館
川崎市多摩区枡形7-1-5(向ヶ丘遊園より徒歩17分)
[アクセス]

GALLERY

バシェ兄弟 / BASCHET BROTHERS
バシェ兄弟(左:弟 フランソワ /右:兄 ベルナール)と音響彫刻「音の噴水」(ロンドン バービカン・センター/1982)©Yves Poinsot

エンジニアの兄 ベルナール・バシェ(Bernard Baschet)と彫刻家の弟 フランソワ・バシェ(François Baschet)の兄弟で音響の研究をし1954年からたくさんの実験的な音響彫刻を創った。その精神は芸術+科学+一般参加。自己表現のための芸術ではなく、一般の人々が参加できるひらかれた作品づくりをした。ニューヨーク現代美術館、ベルリン美術館、パリ博物館など世界各地で展覧会が開催される。日本には1970年大阪万博・鉄鋼館プロデューサーだった武満徹氏に招聘され弟・フランソワ・バシェが片腕のアラン・ヴィルミノと共に1969年来日。7月~10月にかけて大阪に滞在、アラン・ヴィルミノと10名ほどの日本人助手と共に17点の音響彫刻を創った。それぞれの音響彫刻には、助手をしてくれた日本人への感謝の気持ちを込めて、日本人の名前が付けられている。


兄・ベルナール・バシェ(1917~2015)97歳没
Bernard Baschet (born 24 August 1917, in Paris; died 17 July 2015)
弟・フランソワ・バシェ(1920~2014)93歳没
François Baschet (born 30 March 1920, in Paris; died 11 February 2014)
参考データ:http://francois.baschet.free.fr/front.htm


バシェの音響彫刻(Musical Sculpture)(注1)は、同じデザイン、同じフォームのものは世界に2つとない。ひとつひとつ手作りで、いままでにないものをつねに考え出していくのである。
フランソワ・バシェは助手のアラン・ヴィルミノと1969年7月~10月まで大阪に滞在。日本人助手と共に市内の後藤鍛工で、鉄鋼館のためにまったく新しいものを17点製作した。


(注1)当時、鉄鋼館では、Musical Sculptureを楽器彫刻と訳していましたが、楽器ではないとフランソワ・バシェの発言にもありますので、バシェ協会としては「音響彫刻」と呼ぶようにしています。
音響彫刻に関する詳しい解説はアーカイブページバシェの音響彫刻《復元・調査・研究》でご覧いただけます。

VIDEO

 

バシェ協会とは


バシェ協会は、バシェ音響彫刻の存在を広く一般に周知させるために2015年2月25日に設立されました。大阪万博鉄鋼館で展示されたフランソワ・バシェ音響彫刻の残された部材を素に大学や研究者などと共に修復・復元プロジェクトを行っています。また音響彫刻を使ったワークショップ、コンサート、シンポジウムなども手掛けてゆきます。

ARCHIVE

Illustration:Alain Villeminot

バシェ協会は、1970年大阪万博(日本万国博覧会)鉄鋼館で展示されたフランソワ・バシェ音響彫刻の残された部材を素にした修復・復元のプロジェクトを、京都市立芸大、東京藝術大学、マルティ・ルイツ(バシェ研究家/バルセロナ大学)等の協力者と連携をとり進めています。また、バシェ兄弟の音響彫刻を使ったワークショップ、コンサート、シンポジウムなどを開催しています。

池田フォーン
(2010年/Expo‘70パビリオンオープン時、万博記念機構の依頼から乃村工芸社により復元)
川上フォーン
(2013年11月/川上格知とマルティ・ルイツにより修復・復元)
高木フォーン
(2013年11月/川上格知とマルティ・ルイツにより修復・復元)
桂フォーン
(2015年/京都市立芸大・彫刻科松井紫郎教授の協力のもと彫刻科の学生とマルティ・ルイツにより修復・復元)
渡辺フォーン
(2015年/京都市立芸大・彫刻科・松井紫郎教授の協力のもと彫刻科の学生とマルティ・ルイツにより修復・復元)