大阪万博から現在まで

1969年 フランソワ・バシェ 大阪で音響彫刻を制作
日本万国博覧会(以下通称:大阪万博EXPO‘70鉄鋼館プロデューサー武満徹によりフランソワ・バシェが招聘され、片腕アラン・ヴィルミノと共に来日。7月~10月、後藤鍛工(大阪市)で日本人助手と共に17点の音響彫刻を制作。
1970年 大阪万博EXPO‘70開催
鉄鋼館では音響彫刻を使った曲が毎日流された。高橋悠治「エゲン」(1969若杉弘指揮×日本フィル)、武満徹「クロッシング」クセナキス「ヒビキ・ハナ・マ」(小澤征爾×日本フィル)は、『スペース・シアター:EXPO’70鉄鋼館の記録』(ビクター/1970)としてリリース。現代音楽祭〈今日の音楽Music Today〉(8/21~24日)の初日には、バシェ音響彫刻を使った武満徹「四季」が、山口保宣、マイケル・ランタの2名により初演される。『武満徹:「四季」「ムナーリ・バイ・ムナーリ」「トゥワード」(原題:TAKEMITSU:SEASONS | MUNARI BY MUNARI | TOWARD)』(マイケル・ランタ、ツトム・ヤマシタ、山口保宣、山口浩一、佐藤英彦等)は、1971年・1974年にNHKでレコーディングされ、ドイツ・グラモフォンよりリリースされている。映画『どですかでん』(監督:黒澤明/1970年)では、「高木フォーン(クリスタル・タイプ)」が使用されている。
バシェ音響彫刻部材が鉄鋼館の倉庫に保存される
その後音響彫刻は解体され、部材が鉄鋼館の倉庫に保存される。(一部は製鉄所等に譲渡されたようである)
2009年 永田砂知子と宮崎千恵子がベルナール・バシェに出会い、バシェ兄弟と日本との交流がはじまる。
9月27日
永田砂知子がコンサートのため渡仏した際、ピアノ型のバシェ音響彫刻「ピアノ・バシェ・マルボス」と共演。ピエール・マルボスからベルナール・バシェを紹介され、アトリエを訪問。打楽器奏者佐藤英彦氏が大阪万博で出会ったフランソワ・バシェに多大な影響を受け、創作打楽器を作りだしたことを伝え、佐藤氏の創作楽器ビデオと写真集を届ける。フランソワ・バシェ音響彫刻本『KLANG OBJEKTE』(独語)をいただいく。(2015年日本語に翻訳)
2010年 「EXPO’70 パビリオン」開館
3月13日
大阪万博EXPO‘70の記念館として「EXPO’70 パビリオン」(旧鉄鋼館)がオープン。「池田フォーン」展示(修復:万博記念機構/(株)乃村工藝社)、マリンバ奏者による演奏。
5月22日
永田砂知子が日本万国博覧会記念機構(当時)を訪れ、北村俊幸氏(当時事業部)からバシェ音響彫刻の部材が倉庫に残っていることを知らされる。
2013年 「川上フォーン」「高木フォーン」修復・復元
6月9日
1969年〜1970年フランソワ・バシェの助手を務めた川上格知氏が「EXPO‘70 パビリオン」を訪問。残りの解体部材を見て、「川上フォーン」と「高木フォーン」を修復したいと万博記念機構に申し出、委託契約を締結する。その話が宮崎千恵子を通して、バシェの後継者マルティ・ルイツ(バルセロナ大学美術学部)に伝わる。
10月1日
柿沼敏江(京都市立芸大教授)、松井紫朗(京都市立芸大彫刻科教授)が、日本万国博覧会記念機構(当時)で部材見学。(2015年「桂フォーン」「渡辺フォーン」2基修復)
10月29日
バシェの後継者マルティ・ルイツ(バルセロナ)来日。
10月31日
フランソワ・バシェと交流のあったツトム・ヤマシタ氏(パーカッショニスト)が部材見学。マルティ・ルイツと交流。
11月5日〜
マルティ・ルイツが川上氏のアトリエ(兵庫県宍粟市)に修復のため滞在。言葉の通じないもの同志、修復の仕方、部材の調達など困難を極めた修復が行われた。修復に関しては、万博当時フランソワ・バシェと一緒に来日したアラン・ヴィルミノ(仏/当時81歳)に電話で指導を受けた。復元した2基を使い(大阪では池田フォーンも)マルティ・ルイツと永田砂知子によるコンサートが行われた。
12月1日
バシェ音響彫刻 修復記念コンサート/大阪「EXPO’70 パビリオン」(旧鉄鋼館)
12月2日
バシェの音響彫刻 講演と演奏/京都市立芸術大学・大学会館ホール
特別講師:マルティ・ルイス(サウンド・アーティスト,バルセロナ大学美術学部)、永田砂知子(打楽器奏者、即興演奏家)
企画:柿沼敏江(京都市立芸術大学教授)
2014年 2月11日
フランソワ・バシェ 93歳没
2015年 2月25日
バシェ協会設立
5月9日〜10日
「大阪万博1970デザインプロジェクト」展関連イベント
「フランソワ・バシェ音響彫刻の響き」東京国立近代美術館

2日間にわたって映画上映・シンポジウム・コンサート・ワークショップが東京国立近代美術館地下講堂で行われた。
主催:東京国立近代美術館/東京藝術大学美術学部先端芸術表現科 古川研究室/バシェ協会
助成:関西大阪21世紀協会/アーツカウンシル東京
5月9日
===映画上映===
Baschet-The Transfiguration of Daily Life (監督=エリック・マリン/2003年/31分/英語)もあわせて上映。協力:エリック・マリン
===シンポジウム===
「バシェ音響彫刻の修復と活用」出演:一柳慧、柿沼敏江、木戸敏郎、小沼純一
===コンサート===
山口恭範「ムナーリ・バイ・ムナーリ」(作曲:武満徹)永田砂知子 《川上フォーン》による即興演奏
5月10日
===ワークショップ===
「バシェ作品と音の可能性」障がいを持つかたのための音の体験。
講師:永田砂知子、マルティ・ルイツ 協力:永井みち
===ワークショップ===
「バシェ音響彫刻の秘密」バシェ作品の形態と響きのメカニズムを体験。
講師:川崎義博、永田砂知子、マルティ・ルイツ
===デモンストレーション===
演目:《川上フォーン》による即興演奏
出演:永田砂知子、マルティ・ルイツ
7月17日
ベルナール・バシェ97歳 没
9月〜11月
「桂フォーン」「渡辺フォーン」修復
京都市立芸術大学京都芸術センター共同企画によるアーティスト・イン・レジデンスにマルティ・ルイツが招聘され、京都に3か月滞在。松井紫朗(京都市立芸術大学教授)の協力を得て「渡辺フォーン」「桂フォーン」2基を修復。
10月31日・11月1日
「音響彫刻コンサート」
企画:岡田加津子(京都市立芸術大学准教授)
11月4日~12日
「バシェ音響彫刻展覧会」京都芸術センターギャラリー
「渡辺フォーン」「桂フォーン」展示。その後、この2基は2年間京都市立芸大へ貸与されることとなる。
11月15日
「バシェ音響彫刻コンサート&映画上映会」京都芸術センター
「川上フォーン」「高木フォーン」「渡辺フォーン」「桂フォーン」4基のバシェ音響彫刻を使い、武満徹「四季」を初演された山口恭範氏を筆頭に、中谷満、宮本妥子、永田砂知子、4名のパーカッション奏者で演奏された。また、4基を使ったマルティ・ルイツと永田砂知子による即興演奏も行われた。
2016年 3月27日
フランソワ・バシェ シンポジウム2016
<バシェ音響彫刻の修復とその意味>
東京藝術大学芸術情報センター(東京藝術大学美術学部上野校舎内)
主催:バシェ協会
共催:東京藝術大学先端芸術表現科
協力:東京藝術大学芸術情報センター/京都市立芸術大学/京都芸術センター
助成:アーツカウンシル東京
===コンサート===
バシエ音響彫刻コンサートin京都芸術センター記録映像」より ジャックバルザック監督バシェ・ドキュメント 武満徹「四季」
===シンポジウム===
・打楽器奏者の視点から見たバシェ:永田砂知子(バシェ協会会長・打楽器奏者)
・バシェ音響彫刻プロジェクトより:柿沼敏江(音楽学・京都市立芸術大学教授)
・バシェ作品の修復とアーカイブに関して:川崎義博(アーチスト・東京藝大先端芸術表現科バシェプロジェクト担当)
・楽器の修復・復元その意味:木戸敏郎(音楽プロデューサー)
10月
東京藝術大学美術学部取手校舎に残りのほとんどの部材が運ばれる。
10月30日
EXPO’70 パビリオン ライブ&ワークショップ「鉄は熱いうちに打て」
岡田加津子(作曲家・コーディネーター)北村千絵(ヴォイス)
沢田穣治(ベース)渡辺亮(パーカッション)
企画:京都市芸術大学・岡田加津子准教授
11月18日
京都市芸術大学 大学会館ホワイエ「音響彫刻ライブVOL2」
コーディネーター・作曲:岡田加津子
演奏者:北村千絵(voice)、宮北裕美(dance)、渡辺亮(perc.)、山本祐介(perc.)、京都芸大作曲ゼミ(作曲・演奏)ほか
企画:京都市芸術大学・岡田加津子准教授
2017年 東京藝術大学 取手校舎 修復プロジェクト開始
大阪万博に保存してあった残りの部材が大阪から東京藝大取手校舎へ運ばれる。
美術学部 先端芸術表現科 古川研究室協力のもと川崎義博を中心に修復プロジェクトが始動。
2月
川崎義博を中心に古川研究室とファクトリーセンターが共同して「東京藝術大学バシェ修復プロジェクトチーム」を発足。クラウドファンディングによる「勝原フォーン」の修復を計画
4月6日
「東京藝術大学×クラウドファンディング」スタート