バシェの音響彫刻《高木フォーン》

Photo by Yuki Moriya
作品データ《TAKAGI PHONE》
サイズ W 4,000mm × D 2,100mm × H 2,300mm
素材 ステンレススチール、アルミニュウム、ガラス棒

2013年11月 川上格知とマルティ・ルイツにより修復

ずらっと並んだガラス棒が特徴の「クリスタル・バシェ」と呼ばれる音響彫刻。ガラス棒とそれを調律するための寸切棒と金属板でできている。水でぬれた指でガラス棒をこするとなめらかな水との摩擦によって振動が起こり、その振動はステンレス・スチール棒のところで音を発する仕掛けになっている。金属棒の長さ、重さ、位置などが音のピッチを決定する。このクリスタル型の音響彫刻はのちに音楽家ミシェル・ドヌーヴにより開発され、音階もピアノと同じ平均律に調律され、バッハなどのクラシック音楽を演奏できる「楽器」に発展した。ジャン・コクトー監督映画『オルフェウスの遺言』(1960)、武満徹が音楽を担当した黒澤明監督映画『どですかでん』(1970)など、たびたび映画音楽で使われている。


解説 : 永田砂知子

*「関根フォーン」という説もあるが、万博時代より「高木フォーン」と呼ばれているので、ここでは「高木フォーン」と記載する。