武満徹がバシェ音響彫刻のために作曲し、鉄鋼館で演奏された「四季」の演奏が万博50年後を記念する今回の「音と造形のレゾナンス」展の展示会場で収録されました。70年万博の初演、2015年京都芸術センターの再演、そして関東圏では初演となる今回の岡本太郎美術館での3度目の演奏、そのすべてに出演された山口恭範氏を中心に、吉原すみれ、前田啓太、野尻小矢佳(敬称略)、による素晴らしい「四季」の演奏をお聴きください。沈黙、静寂、空間、が重要な要素であるという「四季」の静謐な世界を感じていただけることと思います。
武満徹「四季」
Toru Takemitsu:Seasons
演奏:山口恭範 吉原すみれ 前田啓太 野尻小矢佳
この映像は2020年5月15日に 川崎市岡本太郎美術館「音と造形のレゾナンス」展の展示空間のなかで収録されました。楽譜には音響彫刻を東西南北に設置するようにという指示が書かれていますが、今回は並列に置かれた展覧会用の設置のまま、5基の音響彫刻を使って演奏されるという特別版になっています。なお、ラストにオルゴールが奏でる曲は、武満徹氏が音楽に開眼したと言われているシャンソン「聞かせてよ、愛の言葉を」です。
15/May/2020 Recorded@Taro Okamoto Museum of Art,Kawasaki
Performer:Yasunori Yamaguchi, Sumire Yoshihara, Keita Maeda, Sayaka Nojiri
バシェ音響彫刻:勝原フォーン、高木フォーン、桂フォーン、川上フォーン、渡辺フォーンBaschet Sound Sculptures:Katsuhara Phone, Takagi Phone, Katsura Phone,
Kawakami Phone, Watanabe Phone
演奏者のプロフィール、「四季」に関する簡単な解説などはこちらのページをご覧ください。
https://baschet.jp.net/2020/03/18/news-enent-concert-20200621/
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武満徹「四季」について
70年大阪万博・鉄鋼館ディレクターだった武満徹はフランソワ・バシェを招聘し、音響彫刻の制作を依頼した。フランソワ・バシェは共同制作者のアラン・ヴィルミノと共に大阪に滞在、日本人助手とともに17点の音響彫刻を制作し、作品は鉄鋼館ホワイエに展示された。そのような背景のもとに、武満徹がバシェ音響彫刻のために作曲したのが「四季」である。楽譜は図形譜で書かれてはいるが、暦、気象情報などの言葉を使うような指示や、演奏上のいくつかの約束事がある。また音響彫刻を東西南北に設置するようにという指示が書かれている。
1970年万博・鉄鋼館で初演時では4名で演奏される予定だったが、海外から来日予定の2名が事情により入国できず、山口保則とマイケル・ランタの2名で演奏された、45年を経て、2015年京都芸術センターでの再演では、4基のバシェ音響彫刻が展示されるなか、山口恭範、中谷満、宮本妥子、永田砂知子という4名の打楽器奏者による完全版の「四季」が演奏された。今回の2020年岡本太郎美術館(関東圏で初演)が3度目の演奏となる。初演者の山口恭範氏は、そのすべての演奏に参加した。
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